賃貸物件の防音性能を構造で比較。騒音の原因と対策もご紹介

           

初めまして、エイブルです。先日お客様に「防音がしっかりした物件を探しているんですが、どういう条件だと良いんですか？」というご質問をお受けいたしました。

鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨、木造、軽量鉄骨など様々な種類がある「物件構造」の防音性能について、「わかりにくい」、「どれが防音性に優れているかわからない」と感じられる方も多いかと思われます。

そこで今回は、そんな防音が気になる人に向けて、「騒音が起きる問題点」のチェックと、「防音性能が高い構造」の比較をしますので、ぜひご参考にしてください。

その他、木造物件の防音性が気になる方はこちらの記事をご確認ください。

鉄骨造の物件の防音性が気になる方はこちら。

身近な騒音の原因は？ 暮らしに溢れる騒音

まずは音そのものについて考えてみましょう。

耳という器官は周囲の様々な振動を拾い、音に変換して認識しています。つまり私達が日常的に聞いている音や話し声はすべて振動から来ているものなのです。

だからこそ、この振動を完全に遮断しなければ、騒音として周囲へ響いてしまうというメカニズムになっています。

固体音と空気音の2つの原因を理解しよう

音には2種類存在します。

固体音とは床や壁などの固体が振動して伝わってくる音のことで、固体伝播(でんぱ)音とも言われています。

糸電話の比較がイメージとして近しいものでしょう。一方の振動が固体を通じてもう一方へ伝わることで、音へと変換されるのです。

つまり、物を落としたりぶつけたりしてしまった場合、振動が壁という固体を通じて周囲へ伝わる事で、音が響いてしまうのです。

もう1つの空気音は空気が振動し、直接別の部屋へ伝わる音のことで、空気伝播音とも言われています。

例えば隣の部屋のテレビの音が聞こえてきたり、人の話し声が聞こえてきたりすることで、距離が遠ければ聞こえにくくなるという特徴を持っています。

間に遮音性の高いものを挟むことで周囲に響きにくくなるため、対処の取りやすさも変わってくることが伺えますよね。

周辺に人が集まりやすい施設がある場合は注意

人の話し声や笑い声などが響きやすい居酒屋やたまり場、施設がある事で空気音として騒音がお部屋まで届いてしまうケースも存在します。

場合によっては24時間人が集っているような場所もあり、騒音トラブルに頭を悩ませている方もいらっしゃるようです。

近隣の人が複数同居・ペットがいる場合は注意

同居人との話し声や笑い声の他、ペットの吠え声がうるさい！と感じる方も多いようです。

しかし、近隣間の騒音トラブルは直接やりとりをしてしまうと、近隣トラブルに繋がってしまう危険性もあるため、極力大家さんや不動産会社へ相談することを心掛けましょう。

上下階の音の反響にも注意

「上の階の住人がうるさい」と思っていても、実は下の階の住人が発している音かもしれません。

実は、建物によって音が反響しあい、実際に発生している場所とは違う箇所から騒音が聞こえているように感じるケースがあります。

場合によっては斜め上から聞こえている音が、真上の階の音に聞こえたり、下の階から聞こえる音が真隣の音に聞こえたりということもあるようです。

賃貸物件における構造ごとの防音性能を比較

防音性能早見表！ 木造・鉄筋鉄骨造・鉄筋コンクリート造を比較

まずは防音性についての早見表をご紹介します。

意外と知らないメリット・デメリット。簡単に理解したいという人は、こちらを見てくださいね。

構造	性能
木造	気密性が低く防音性に欠けている、特に話し声などの空気音が伝わりやすい。
鉄筋鉄骨コンクリート造（SRC）	木造よりも壁や床が厚いため、空気音が伝わりにくい。
鉄筋コンクリート（RC）	空気音、固体音共に伝わりにくいが、窓の位置や構造によっては防音性の低下を招く。

構造別に見ると、一番防音性能が高いのは鉄筋とコンクリートをあわせたRC造やSRC造がおすすめなのですが、それでも防音性能に不安なところも…。

それぞれのメリット・デメリットを詳しく紹介していきます！

木造の特徴とメリット・デメリット

木造は何よりも家賃がリーズナブルなことが特徴で、家賃が低めに設定されていることも多く費用を抑えたい方にうってつけです。

通気性や吸湿性にも優れているため、夏のようなじめじめした気候でも必要以上に室内の湿度が上がらないという効果が期待できます。

しかし、その一方で木材にはどうしても音を通過させてしまう性能があります。

勿論壁の厚みを追加したり、防音シートなどを設置したりすることで吸音性を向上させることはできますが、そういった手順を踏むには大家さんや不動産会社へ連絡・確認を取る必要があるなど少々手間が掛かってしまいます。

鉄筋鉄骨コンクリート造（SRC）の特徴とメリット・デメリット

鉄筋コンクリート造は別名SRC造とも呼ばれていて、鉄筋とコンクリートでしっかりと構築された物件です。

音を通しにくく振動もしにくいため、防音性は非常に優れているとされています。しかし、中には柱だけがコンクリート製で壁はパネルを採用しているケースも存在します。また、窓に余り配慮しておらず、窓の品質や取り付けた位置によっては防音性が損なわれてしまうケースも。

いかに鉄筋コンクリート造とはいえ単純に比較できず、音を完全に遮断するのは難しいということになってしまいます。

鉄筋コンクリート造（RC）の特徴とメリット・デメリット

骨組みが鉄筋とコンクリートで作られている構造です。SRCと比べて鉄骨を使用していないことから、耐久性はやや劣るものの、ビルやマンション以外で防音性能を求めるのであれば、RC造りがおすすめです。

木造や鉄筋造りに比べて家賃が少し高いのがデメリットといえるでしょう。

賃貸物件の防音対策の方法

吸音材・遮音シートで防音対策

吸音材や遮音シートであれば、安いものは数千円程度で売られているためそれを周囲に貼り付けるのがオススメです。

壁や窓に貼る事でしっかりと周囲へ音を漏らさず、周囲の音も防ぐという効果があります。

しかし、こういった貼付けを行う際には原状回復という配慮をしなければならないため、まずは不動産会社や大家さんなどに設置して良いか確認を行いましょう。

家具を音がする場所へ設置する

話し声などが聞こえて来てしまうということは、その壁の気密性が欠けているということ。あえてその位置にタンスなどを移動させることで、防音性を高めることが出来るでしょう。

防音カーテンで外界からの騒音をシャットアウトする

外からの音がうるさいという場合は、窓に問題があるのかもしれません。そういった場合は防音カーテンを利用することで、外界からの騒音をシャットアウトすることが出来るのです。

外の騒音で中々睡眠が取れない場合は一度防音カーテンを使ってみることをオススメします。

ジョイントマットで階下への騒音を対策

周囲から足音や物音が聞こえているということは、自分の物音も周囲へ響いているということです。

もしかしたら自分も騒音を出しているのかもと不安になった場合は、ジョイントマットなどを敷くことで階下へ振動音による騒音が行くのを遮ることが出来ます。ご近所トラブルなどを避けるためには、こういった配慮を行っておくと良いでしょう。

スキマテープでスキマ音をシャットアウト

物件によってはドアのスキマや窓のスキマにおけるスキマ風がピューピューと音を立てているケースも存在します。

そのため、そういったスキマ音を防ぐことでひいては空気音が入ってくるのを防ぎ、自分や周囲の人の話し声が響きづらくなるといった利点もあります。

防音性能の高いお部屋に引っ越しする

どうしても防音性を重視したい場合は、やはり防音性能の高い物件に引越しをするのが手早く簡単でしょう。

引越しをしてから防音機能を高めようとしても、場合によっては逐次不動産会社や大家さんへ確認を取る必要があります。

そういった面倒を避けるためにも、最初から防音性能の高いお部屋に引越しをすることがオススメです。

構造ごとの防音性能を理解しよう

木造であれば家賃が安いものの音が響きやすいという難点があり、鉄筋鉄骨造は音が響きやすい物件と響きにくい物件の二通りがあります。

防音性の高い物件探しをしている方はどうやって選べば良いのだろう？とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

エイブルではそんなお悩みを抱えている方に対し、防音性能の高い物件をご紹介しております。ぜひお気軽にご相談ください。

＜関連リンク＞
木造の賃貸物件は音漏れしますか？RC造との比較や防音対策を教えて！
鉄骨造なら防音性は安心ですか？重量・軽量の違いや他構造と比較

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